第77話

「ヤベェ、純に連絡してねぇ。


ちょっと電話する」


ガクはすぐ電話をかける。



「もしもし。


今日の集会、顔出せなくなった。


ノン…、女と会ってより戻した。


今日は側に居てやりてぇ」


そう真っ直ぐに話している。



「ノン、純が電話代われって」


ドキドキする…。



「もしもし、ノンです」



「お嬢ちゃんか。


もう気持ちは大丈夫なのか?


ガクについて来られるのか?」


純さんは、なんだか前より優しい声になった気がする。



「もう大丈夫です。


ガクの側に居たいです」


もう揺れたりしない。



「だったら、もう離れるな。


ガクは馬鹿だけど、女は大事にする男だ。


信じてやってくれ」


純さんにこんな言葉を貰えるなんて思わなかった。



「はい、信じています」



少し話して電話を切った。



「ノンが居なくなって俺が荒れたから、純も随分心配してくれた。


大切なものを取り戻せて良かったよ」


ガクは言った。

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