第74話

奥まで深く満たされる。



「ハァ…ぁっ、ダメッ…。


おかしくなるっ…ハァッ」



「ノン、もっと乱れて?」


耳元で囁き、私の耳を甘噛みした。



「もう限界…っ…」


その言葉を待っていたかのように、激しく突き上げる。



そして、私達はグッタリと果てた。



「ノン、本当に会いたかった。


触れたかった。


抱きたかった」


額をくっ付けてガクは言った。



「私も会いたかった。


でも、会えなかった。


触れたかったけど、怖かった。


抱いて欲しい夜もあったけど、私から言い出した別れだったから、乗り越えてきた」


話しても、話しても足りない。



勇気君の前では女の子だったのに、ガクと居ると女になる。



「タバコ吸って良い?」


「何で聞くの?


私、ガクがタバコを吸う姿が好きだよ」


ガクはタバコに火をつけた。

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