第71話

「じゃあ、ホテル行ってるね」


さっきまで勇気君と居たホテルに戻る。



フロントで部屋の空き状況を確認した。


「本日あいにく満室でして、スィートルームしか空いてないのですが、いかが致しますか?」


スィートルームっていつもの部屋…だよね。



「ああ、その部屋で良い」


「一室12万円になりますが…」


申し訳無さそうにフロントの人は言った。



「泊まった事あるから、その部屋で大丈夫」


ガクはそう言った。


「かしこまりました」



「ガク、急の出費で大丈夫?」


私は小声で聞いた。



「ばーか!女が金の心配するな」


そして私達は思い出のスィートルームへ向かった。



「また、ここにガクと居るなんて不思議」


窓の外を見る。



「俺は不思議じゃないよ。


"迎えに行く"って言っただろ?」


後ろからガクが私の腰に両手を回す。

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