第53話

「私達、帰る!2人とも帰るよ!」



フラフラしながら2人の手を掴んだ。


でも、私以上に2人は泥酔している。



もう1人じゃ立てない程だ。



「俺達、送ってあげるよ。


ほら、3人とも俺達に掴まって」



介抱するフリして身体をベタベタ触る。



「店員さん!私達帰るからタクシー呼んで下さい!」


私は店員にそう言った。



「はーい」


って言ったきりタクシーは来ない。



その時、店員もグルなんじゃないかと頭に過った。


沙羅も美月も大学生に背負われといる。


「ノンちゃん、俺達も行こう」


そう言って智君は肩を組んでくる。



ダメ、このままじゃダメ。



もう守ってくれるガクは居ないの。


自分達が招いた種だ。


自分達でケリつける。

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