第52話

「ねぇ、飲み過ぎじゃない?大丈夫?」



友達の沙羅(さら)に声をかけた。



「大丈夫!大丈夫!」


そう言っているけど、大丈夫そうには見えない。



「美月(みつき)も、飲み過ぎだよ?」


2人に声をかけたけど、2人ともその場を楽しんで飲むのをやめない。



「ノンちゃん、ホントに彼氏いないの?


俺、立候補しようかな」


そう言ったのは三浦 智(みうら さとし)。



「智君!ノンはモテるから、告白は早い方が良いよ!」


沙羅が口を挟む。



「そうなんだ。


じゃあ俺、正式に立候補する!」


智君は手を上げた。



「えーっ、私なんか止めなよ」



こんな時、どうはぐらかして良いのかわならない。



「ノンちゃん、仲良くなろう!」


智君は私の横にピッタリ座る。



この人…ヘラヘラしててちょっと苦手。


それが私の智君の印象。



「二次会行こうぜ!」


なんだろう、動悸がする…。


帰りたい。


沙羅と美月もちゃんと連れて帰らなきゃ。



立ち上がろうとすると、ぐらっと目眩がした。



もしかして…お酒が入ってた?



沙羅と美月の酔い方も今まで見てきたのとは違う。

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