「ノン！今夜、大学生との合コン行ける？」

相手なんて誰でも良かった。

気を紛らわせられるなら、それだけで良かった。

「もちろん行く！」

ガクと別れてから、友達には付き合いが良くなったって言われる。

前より話しやすくなったと。

自分ではそんなつもりは無かったけど、"和田学の女"っていうレッテルは最強な物だったのだと思う。

夜、私服に着替えて化粧をして、私達は女3人で店に向かった。

相手は21歳の大学生。

「お酒飲む？」

その質問に友達2人は「もちろん」って答えた。

「私はお酒は飲まないから。

オレンジジュースで」

そう答えた。

ガクはお酒は飲まないから、私も飲んだ事がない。

それを貫いてる訳じゃないけど、初対面の男の人の前で飲むのは嫌だった。

性被害に遭った者として、男を警戒する気持ちは無くならない。

話は盛り上がり、皆酔っ払っていく。

私はオレンジジュースしか飲んでいないのに、何だか脈が早い気がした。

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