第46話

冗談で無い事は私の真剣な表情でわかるはず。



「何で…何でだ?」


ガクは本当に別れの予感もしていなかった。



「私ね、ガクにはついて行かない。


頭を目指すガクには、私は必要ない」


私はゆっくり話す。



「いつから考えてた?


俺が純の後釜につくって言った日からか?」


ガクの声が少し大きくなる。



「そうだよ、あの日から。


私、ガクの怪我が治ったら別れようって決めていた。


ずっと騙してた」



涙が出そうになったけど、別れを告げてるのに泣くなんてズルいと思った。


だから、気丈に振る舞う。



「喧嘩はしないって約束、破ったからか?」



「あの時は仕方なかったって思ってるよ?


だから、そのせいじゃない。


でも1年かけて、喧嘩してトップまで行くんでしょ?


私は、そんなガクの帰りを待っているなんて嫌。


それに守ってもらうのも、もう嫌なの。


足手纏いになるなんて、もう我慢できない」

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