第43話
セックスの後、ガクと話をした。
「ガクは背中にホクロがあるんだよ。
知ってた?2つ並んでるの」
この身体を覚えていよう。
「知らねぇよ、見えねぇし」
ガクは小さく笑う。
「あと…お腹に傷。
これは何の傷?」
「それは、ガキの頃に本当の親父に刺された」
ガクはサラッと言った。
「えっ?刺されたってどういう事?」
聞いた事のない話だ。
「父親は酒癖の悪いヤツだった。
酔えば母親を殴るし、小さい俺にも手を挙げた。
その時の俺の泣き声がうるせーって、酔った馬鹿は包丁を持ってきて…。
でも、命に関わる深い傷じゃなかった。
こうしてピンピンして生きてんだ、もう忘れちまってた昔の話だ」
ガクはタバコを吸いながらそう話してくれた。
「もう刺されない様にね…。
怪我には気をつけて?」
「わかってるよ、大丈夫」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます