第37話

走って、走って、暗い茂みの中に倒れ込んだ。



すぐにスマホを出した。



そうだ!電源を切ってたんだ!


早く起動して!



ハァ…ハァ…ハァ…



起動した!


震える指で110番に電話をかけた。



「はい、事件ですか?事故ですか?」


繋がった!



「事件です!お願いっ!助けてっ!」



「場所は何処ですか?」



「わからないっ!わからないです!


連れて来られて!


早く来て!!!」



気が動転して何を話しているかわからない。



「おいっ!居たぞっ!」



茂みをかき分け、男が近づく。



私は通話中にしたままスマホを茂みの奥に投げた。


GPSでなんとか場所さえ特定できれば…。


望みを投げたスマホに託した。



パシンッ!


強く平手打ちされる。



「手間取らせんじゃねぇよ!」


そう言って連れ戻される。



ガクッ!ガクは無事⁉︎

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