第33話

「おいっ!


女には手は出すなっ!」



ガクは大声で叫んだ。



「この女は人質だ。


お前と対等にやり合う程、俺は馬鹿じゃない。


ほら、行くぞ!」


私とガクは別々の車に乗せられた。



怖くて声も出ない。


この人達が純さんに大怪我させたなら、ナイフも持っているはず…。


ガクも刺されたらどうしよう。


怖い、誰か助けて!


それだけを願う。



少し走るとガラの悪いバイクが集まってきて車を囲んだ。


暴走族⁉︎



ガクは私に喧嘩はもうしないと約束した…。


その約束を果たすとしたら、ガクはやられる。

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