第22話

「純さんはどうやって今の地位まで?」


私と真剣に向き合って、真っ直ぐに話してくれるのが嬉しい。


「私が出会った頃は、ただのヤンチャな不良だったのよ。


毎日喧嘩して、傷作って、また喧嘩して。


上に行きたいって言い出したのは、ある事件からかな」


「事件?」


質問ばかりで申し訳ないけど聞きたい。


「純ね、少年院に入ってたの。


暴走族との抗争で相手が1人亡くなってね。


純は喧嘩を売られた側なんだけどハメられて。


少年院を出て来た頃から、"俺は頭になる"って言ってた。


それからは、ただ喧嘩するんじゃなくて、相手の心に寄り添うようになって、仲間もどんどん増えて。


その延長線上に今があるって感じ」



意識の戻らない純さんを見つめて話してくれる。

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