第15話

「後釜って…ガクが後継者ってこと?」



怖い、不安で胸が潰れそう。



「純はそうなって欲しいと望んでいる。


俺はまだ決めた訳じゃないが、このままじゃ大変な事になると思ってる。


誰かがやらないと…せめて純が戻るまでは」



事情はわかった、わかったけど…。



「ガクじゃなくても!


ガクがやらなくても良いんじゃない⁉︎


だって、ガクはもう喧嘩はしないって言ったじゃん!


それにガクはまだ17歳だよ⁉︎


その辺にいる"若い子"と変わらない!」



「ノン、落ち着け」



自分でも取り乱してるってわかってる。


わかっているけど、ガクが束ねていた街の不良の頭と、純さんが仕切っている壮大なワルの頭じゃ訳が違う。



「私もマナブ君にこの人の後に着いて欲しいと思っているの。


もう純には、このまま引退して欲しい」


ユズさんは純さんの手を摩る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る