第14話

「でも…でも純さんはガクより強いんじゃ…」



ガクの腕を掴む。



「俺なんて手が届かない位に強いよ。


でも、純は腹を2ヶ所刺されている。


その上、相手は大人数だ。


卑怯な手で純はこんな目に…」



ガクは強く拳を握った。



「もしかして、あの夜?


帰りが遅くなった夜の出来事⁉︎」


私は質問を続ける。



「ああ、あの夜だ。


純が危ないってユズさんから連絡もらって。


駆け付けた時には既に意識は無かったけど…。


コイツは俺に伝言を残した」


ガクは辛そうに話す。



「"俺の後釜はガクに任せる"って。


まるで遺言みたいに。


このまま頭が居ない状態が続けば、若い子達は混乱して収拾がつかなくなるから」


ユズさんはそう言った。

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