第13話

「ああ…ごめん、紹介する。


コイツは俺の女のノン。


ノン、この人は"純の彼女"のユズさん」


「はじめま…」


そう言い掛けた時に、ガクが言った言葉が私の頭の中で巻き戻しされる。



"純の彼女"って言ったよね?


「この人!もしかして純さんなの⁉︎」


私はベッドで寝ている患者さんを指差した。



「ああ、純だ」



和田 純(わだ じゅん)。


純さんは、ガクのお母さんの再婚相手の息子。


ガクの4歳年上の義理のお義兄さんだ。


純さんは、この県全体の不良達を束ねるトップだ。


暴走族やチンピラ、ヤクザにも顔がきく強くて顔の広い有名な人。



「純さんがどうして⁉︎」



「深夜に集団に襲われたの。


集会の帰りで1人の時に。


私もその場には居なかったから犯人達についてはわからないんだけど…」


ユズさんが説明してくれる。

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