第11話

「……確かにそうだな。


じゃあ、すぐ着替えろ。


連れて行くから」


私は急いでベッドから出て着替える。



深夜でも10分もかからずタクシーが来た。


ガクは私をバイクの後ろに乗せない。


交際を認めてもらう時、ガクが私のお父さんと約束して以来、私はガクのバイクには乗せてもらえない。


ガクは約束を守る男だ。



タクシーの中で私達は何も話さなかった。


ガクが怖い顔をしていて、私も詳しくは聞けなかったから。



着いたのは病院。


夜間救急の出入口から中に入った。


ガクは慣れた様子でエレベーターに乗り、3階へ。



3階でエレベーターのドアが開くと、早足で病室に向かう。


ガクの足は307号室の前で止まった。

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