第10話

数日後の夜中…。


ブーッ、ブーッ、ブーッ!


ガクのスマホが鳴った。



「もしもし…」


ガクは電話に出た。



何時だろう?と私は自分のスマホを見たら、午前2時過ぎだ。



「マナブ君?夜中にごめんね」


電話の向こうから女性の声がした。



しかも、ガクを"マナブ"と呼ぶ。


私が知っている限り"マナブ"と呼ぶのは、ガクの元カノの美織(みおり)くらいだ。


まさか、元カノ⁉︎


私は耳を澄ました。



「わかった、すぐ行く」


ガクはそう言って電話を切った。


「ガク、こんな時間からどこに行くの⁉︎」


ベッドから出ようとするガクの腕を掴んだ。



「ノンは寝てて良いから」



優しく振り解く。



「寝てて良いから、じゃないよ!


また何も話さないつもりなの⁉︎


2時だよ⁉︎


こんな時間に呼び出されて、心配するなって方がおかしいでしょ?」

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