第9話

結局、ガクは何一つ質問には答えなかった。


私の好きなセックス後にタバコを吸う姿も、今夜はセクシーではなく冷めた目をしてる様に見えた。


「ノン、愛してる」


その言葉すら薄っぺらく感じた夜だった。



でもガクに文句を言うつもりは無い。


こんな夜も受け止める。


ガクの女になると決めた時から、何があってもガクの味方でいようと決めたから。


だけど、約束だけは守ってくれていると信じている。


喧嘩はもうしないっていう約束。



その日からガクの帰る時間は遅くなる。


「こんな時間まで何してるの?」


そう聞いてもはぐらかす。


「もしかして…浮気してる?」


この質問にだけは…


「そんな訳ないだろ」


そう否定した。


仕事にもちゃんと行っているし、浮気もしてないなら、それで良いだろうと思おうとした。


だけど、やっぱり私は知りたい。


ガクの身に何が起きているのか。

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