第84話

「それなら!出間先輩のこと…」


「鈴!」


私は鈴の話を遮った。


「出間先輩って?」


ガクは私の顔をじっと見る。


「ねぇ!ノン、話しちゃいなよ。


私、嫌な予感しかしないの」


どうしよう…話して大丈夫かな。


元カノのレイプの話に繋がるんじゃないかと不安。


ガクが嫌な事を思い出したら…。


「ノン?話したくないなのか?


トラブルになってるんじゃないのか?」


私はガクを見つめる。


「あのね…」


出間先輩と話した事を全部話した。


ガク、怒る?


「話してくれてありがとう。


あとは俺に任せてくれる?


俺が話付けるから」


ガクは怒らない、逆に優しい。


その優しさが不安。

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