第74話

やっぱりガクは理由も無く暴力を振るっていなかった。


「ガク君は中学生だったから、ただの謹慎。


大怪我した2人の先輩はレイプの事もバレて退学だって。


ガク君のこと、凄く恨んでると思う。


だからノンも気をつけてね。


ガク君と付き合ってる事が広がれば何をされるかわからないし。


本当に気をつけて」


鈴は真剣な顔をしている。


私も真剣に頷いた。


ガクには"ナカイ シュンペイ"の話をするのはやめよう。


私が軽々しく入り込んで良い話じゃないから。


私は鈴にもガクには話さないようにお願いした。


「出間先輩…ちゃんとした理由を知らないのかな?」


「知らない訳無くない?


だって退学になったのはガク君じゃなく先輩2人なんだし」


確かにそうだ。


「でも出間先輩のガクの嫌い方は普通じゃなかった」


私はこの時、ガクに話さなかった事を後悔する事になる。


少しずつ、少しずつ、危険は近づいていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る