青春

第75話

ガクの家の前に着くと、ガクのバイクの横にもう一台バイクが置いてある。


「ねぇ!私、変じゃ無い?」


鈴は長い髪を整える。


「うん、可愛いよ!


じゃあ、チャイム鳴らすね!」


ピンポーン!ピンポーン!


「はーい」


ガクじゃない男の声。


ガチャ!


開いたドアから顔を出したのは知らない人。


「あの…ガク居ますか?」


私はその人を見上げる。


「君がノンちゃん?」


顔を覗き込まれる。


「はい、朝比奈 花音です」


頭を下げた。


その人はニコリと微笑む。


「じゃあ、君が鈴ちゃんだね」


鈴のこともちゃんと気にかけてくれる。


「自己紹介は後にして、入って!入って!」


まるで自分の家かの様だ。


私達はガクの部屋がある2階に上がる。


部屋のドアを開けるとタバコの臭いがした。


「いらっしゃい」


ガクはタバコを消して窓を開けた。


ガクがタバコを吸うのを初めて見た。

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