第66話

「もう連絡できないって書いてあったけど…。


って事はノンちゃんの好きな人って俺じゃないんだよね?」


先輩は責めるわけでも無く優しくそう聞いてきた。


「はい…他の高校の人なんです。


正式に付き合う事になって…」


こんな時、どう言うのが正解なのかわならない。


「俺に入る隙はない?」


「えっ…」


出間先輩を見上げた。


「俺、ノンちゃんのこと良いなって思ってたから。


どんな相手かわからかいけど、ノンちゃんのこと大事にできる相手なのかな?」


大事にできる相手…か。


体のあちこちが痛みだす。


「……」


言葉が見つからない。


「ノンちゃん、俺じゃ駄目かな?


泣かせたりしないよ?


大切にする」


大切にする…ガクもそう言ってくれた。



「先輩の彼女になったらきっと幸せになれると思います。


でも、私は彼が好きです。


たとえ泣いたとしても」

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