第57話

翌日、学校に行くと玄関で菜々緒が待っていた。


「ノン、顔貸して」


そう無表情で。


「…うん、わかった」


私は菜々緒に手を引っ張られて外に出た。


「ねぇ!菜々緒ちゃん、何なの?」


鈴が私達の間に入る。


「鈴、大丈夫。菜々緒と話してくるよ」


心配そうな鈴を置いて私は菜々緒の後ろをついて行く。


10分位歩くと住宅街には似合わない少し暗い公園に着いた。


遊具の無いベンチがあるだけの公園。


木で囲まれていて周りからは公園の中が見にくい。


公園に誰かいる…。


3人の人影が見えたと思ったら、急に菜々緒はカバンを強く引っ張り私を転ばせた。


短いスカートから出ている膝に血が滲む。


「アンタが朝比奈 花音?」


前にいる3人はガクの高校の制服を着ていた。


そのうちの1人が私の名前を呼ぶ。


菜々緒は私の後ろにいる。


「そうだけど何?」


パンパンと制服に付いた砂を払い、私は立ち上がった。

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