第55話

泣き止んだ私とベッドに横になりガクは腕枕をしてくれる。


「旅行、どこ行きたい?


ノンが行きたい所に連れて行く」


そんな話をしながら。


私達はお互いの給料日の後の週末に、海が見える温泉に行く事にした。


高1同士の旅行で温泉に泊まるのはドキドキするけど、ガクは年上に見えるし大丈夫だろう。


「秘密はもう無い?」


「無いと思う。


聞きたい事は何でも答えるよ。


その都度、事情聴取してくれ」


そう言ってガクは笑う。


「ノンは?


この2週間、悪い虫が寄って来なかった?」


あっ!言わなきゃ!


「悪い虫じゃないんだけど…合コンをしたの。


その中で1人だけLINEでやり取りしてる人がいるけど、ガクのことを話してすぐに連絡取るのやめる」


怒るかな?


「話してくれてありがとう。


大丈夫?俺が話つけようか?」


ガクはどんな人かとか聞かない。


相手は3年の先輩。


皆でカラオケに行った。

 

でも、トキメキなんて無かった。


「大丈夫。私がちゃんとする」

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