第44話

「合コンかぁ…」


ガクの顔が浮かぶ。


彼女がいるなら忘れた方が良いよね。


傷は浅いうちが良いに決まってる。


「うん…3人が行くなら。


行ってみようかな」


私はアルバムをそっと閉じた。


忘れよう…。


ガクの優しい手も。


大きな背中も。


そっと触れた唇も。


全部忘れよう。


私はトイレに行ったフリをして一階のリビングでスマホを触る。


和田 ガク…【着信拒否】。


もう話す事もない。


会う事もない。


バイバイ…ガク。

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