第43話

「えっ?全然話聞いて無かった!


ノン、どうしたの⁉︎


何で泣くの⁉︎」


卒業アルバムに夢中になっていた渡部 郁代(わたべ いくよ)。


優しく私の背中を摩ってくれる。


「ごめん!ごめん!


何でも無いの!


いやぁ…そう!親!


親の事がやっぱり心配で。


だから3人が居てくれて安心しただけ!」


私は涙を拭いて笑った。


本当の事は言わない方が良いと判断したから。


3人を信用してない訳じゃないけど、まだ知り合って関係が浅いから。


「ねぇ、合コンしない⁉︎」


今まで泣いていた私に愛がそう言った。


「合コン?」


何でいきなり?って思ったけど、ちょっと考えたら愛はきっと私と菜々緒の話を聞いていたんだとわかった。


ガクと私の間に何かあるんだと気付いたんだ。


「したーい!合コン!」


菜々緒が食い付く。

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