第42話

彼女……嘘だ…。


「中2から付き合ってるんだよね。


確か今も同じ高校」


言葉が出ない。


中2からって2年付き合ってるって事⁉︎


私は遊ばれたの?


「ノン?聞いてる?」


菜々緒は私の目の前で手をヒラヒラさせた。


「…うん、うん、聞いてる!


そうなんだ、可愛い子だね」


上手く話せてる?


今朝、キスした人に彼女がいると知って胸が苦しい。


「ガクの彼女は苦労んだよね。


よく頑張って付き合ってると思うよ」


「どういう事?」


知りたがって良い事はないって今知ったばかりなのに…。


「ガクはこの辺を束ねる不良達のトップなの。


今は高校に行って喧嘩、喧嘩の毎日なんじゃないかなぁ。


上級生が黙ってないだろうから」


ダメだ…心が追いつかない。


「ノン⁉︎何で泣いてるの⁉︎」


涙が静かに流れていた。

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