第41話

「和田ガク君って知ってる人いる?」


さりげなく、さりげなく聞いたつもり。


「和田マナブでしょ?うちの中学だったよ」


長谷川 菜々緒(はせがわ ななお)が言った。


「マナブ?違うかも、ガクって人だよ?」


私は菜々緒を見る。


「違わない、違わない。


マナブって名前なんだけど皆、ガクって呼ぶの」


私にアルバムを差し出して開いてくれる。


「B組の…これ!これがガク」


そう言って指差した。


"和田 学"って書いて"ワダ マナブ"。


確かに髪はストレートだけど、写真はガクだ。


学って名前なんだ…やっぱり私は何も知らない。


「それでね、うーんとD組の…」


菜々緒はペラペラとD組を開いた。


「この子が佐々木 美織(ささき みおり)ちゃん。


ガクの彼女」


そう言って可愛い女の子を指差した。


「えっ…?」


彼女⁉︎

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