第37話

そう、何故連絡も無くおばあちゃんの家に向かう途中の武縄に2人が居たのか。


それは一人暮らしをしているおばあちゃんと電話している最中にその電話が切れて、その後何度連絡しても電話が繋がらなくなったらしい。


お母さんはおばあちゃんが倒れたのかと思い、お父さんに連絡して2人で向かったそうだ。


…で電波の届かない峠で事故に遭った。


おばあちゃんは電話線が抜けていただけで至って健康。


怪我し損だと笑っていたとガクに話した。


「ノンが独りぼっちになる事が無くて良かったよ。


無事で本当に良かった」


そう言ってくれた。


「ガクは?ガクのご両親はどんな人?」


すると少し黙る。


やっと口を開くと…


「父親はクズみたいな男。


母親は…惨めな人かな」


きっと私はガクが人に聞かれたくない事を聞いてしまったんだと感じた。


「ごめん、話したく無かったよね」


すぐに謝った。


「別に。でももう聞かないでくれるか?」


ガクは私の知らない顔をした。


優しいガクとは違うガク。


「うん、わかった」


そう言ったけどガクのことを何だって知りたかった。


卒業した中学の名前を言わない事も、ずっと変だって思っていたし。


全て知りたいと思う事は重いのかな…。

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