第33話

2人でニコリと微笑み合う。


「うん、それで良い。


もう一つ頼んで良いか?」


「何?」


「キス…して良い?」


ガクは同じ歳とは思えないほど大人っぽい顔をして私を見る。


コクリと頷くとガクの唇が私の唇に優しく触れた。


「ファーストキス…だよ?」


大切な大切なキスだった。


「ありがとう。


これからノンの初めては全部俺にくれ。


俺色に染まれ」


頬を撫でる手が温かい。


「それって……」


告白なの?


そう言葉にできない。


自分が子供で歯痒い。


「俺達、付き合うか?」


「…うん」


またそっと唇が触れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る