第12話

鈴と高校に向かいながらその話をした。


「あんなにカッコよかったらノンもキモくなるって」


初田 鈴(はった すず)。


私の大事な親友。


「ねぇ!いつ会う⁉︎


私も一緒に行って良いでしょ⁉︎」


私の腕を強く掴む。


「あーっ!鈴、ガク君に友達紹介してもらおうとしてる?」


「もちろん!ノンとダブルデートできるなんて最高じゃん」


確かに楽しそう。


「ガク君に聞いてみるね。


ダブルデートの前に私がガク君と付き合えるかもわからないし」


「でもさ、ノンもガク君は有りなんでしょ?」


有り、無しで言えば…


「有りかな。優しそうだしね」


「だったら両想いになれるんじゃない?」


両想いかぁ…。


「ノン、ニヤけてるよ」


鈴は大笑いした。


高校生になって6日目は明るく楽しく過ぎていく。


鈴の他には誰にもガク君の話をしなかった。


どこでガク君に繋がるかわからないし、ガク君は知られたく無いんだろうし。


とにかく信じる。

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