閑話

 否!

 この物語は否である。

 これではない、許せ、アギト。


 だが、優れた因果律に誘われて収束する帰納法から飛び立つ自由の象徴としての鳥のように、我も休まった翼をはためかせて飛び立つ時が来たのだ。全知全能らはこの物語へと比翼する。優しき妻を得た我は歓呼しながら高らかに歌う! 誓う! 我が成すと。嗚呼、万象よ、ありがとう。感謝する。万象の劣等さえも受け入れて。


 第二幕はおしまいだ。物語は第三幕へと移行する。


 我は為すために言の葉を紡ぐであろう。否、紡がねばなるまいな。終末、永遠、神愛、涅槃、それらの美しさを連ねて響くラカン・フリーズをも描こうではないか。


 為さねば成らぬ。

 我は成すべくして為そうというのだよ。


 であるならば、やはり全人生を通して貫くほどの記憶に残る言の葉を、誓いを紡がねばなるまい。今より語るる鼓動の叫びはまさに死。凡そ真理と呼ばれる幸福の話だ。

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