第24話
目を閉じると、心の中に花雪が積もっていくのが分かる。
癒やしの雪をはっきりと感じる。
優しさに、涙が出た。
ヤナのいう通り、言葉にして伝えようと思った。
……雪の妖精さま、力を貸してください。
わたしの罪を許して、悲しみを埋めてください。
涙が次々にあふれてくる。ユアルーナは声を殺して泣いた。
わたしはあの人、ターシアスが好きです。
わたしとあの人の悲しみを埋めてください。わたしは、あの人だけは悲しませたくないのです。
花雪が心の中に積もってくる。ゆっくりと心が軽くなってくるようだった。
……私を癒やしてくれるんですか?
許してくれるんですか? 本当に?
ユアルーナは雪の妖精に問いかける。
遠くから、なにか優しげな声が聞こえた気がした。言葉が聞こえたわけではないのに、うれしいと思った。
まぶたが重くなる。
ヤナも寝息を立て始めた。
ユアルーナは、だんだんと眠りの中に落ちていった。
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