第2回 「彼と私とカレーライス」
病院食と言うと、味気ないとか嫌なイメージが付きまとうものだ。
正直に言うと私も病院食は好まない。
栄養やカロリーバランスの取れた食事が必要ただそれだけだ。
先日、
昼食のメニューがカレーライスだった。
カレー好きな私は少し浮かれて居たし、少し期待もしてた。
半透明の蓋越しに、カレーのブラウンとライスの白、
そして赤い何かの色
福神漬けかな?
カレーに福神漬けは鉄板だよな!
と、思い蓋をとると……
その赤は、真っ赤なウィンナーだった……。
正直、落ち込んだ。
でも、それよりカレーを楽しもうと混ぜつつ食べた。
味は可もなく不可もない。
そんな地味なカレーライスだ。
食器を下げる時、自分の最も好きなカレーに思いを馳せた。
私の好きなカレーは、いわゆる混ぜカレーやドライカレーと呼ばれる物で、そこに生卵を1つ落とした、カレーの辛味を卵がまろやかにしてくれるタイプが1等好きだ。
聞いた話によると大阪の文豪、織田作之助も自由軒の混ぜカレーが好きだったらしい。
大阪の難波に行く事が有れば私も自由軒に行ってみたい。
彼の好んだカレーと額装された写真、そして親しみを込めた一文がある。
曰く「トラは死んで皮をのこす 織田作死んでカレーライスをのこす」
彼の好きなカレーはどんな味だろうか……。
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