第1回 「病牀六尺、病床180cm」
第1回からこんな事を書くのは何だが、
私とした事が生まれつきのASD(発達障害)の物事が額面通りにしか受け止められない特性のせいで、発作的にパニックを起こし今現在精神科に入院している。
さて、タイトルにある病牀六尺であるがこれは正岡子規の作品のタイトルから拝借したものである。
一尺が約30cm、それが六尺なのだから180cmくらいな訳だ。
彼は、六尺の布団の中で病と戦いながら連載を書いていた。
物理的に見れば彼は布団の中の不自由な存在だろう。
だが、彼の精神はどうだろうか?
筆を執り立派に仕事として文士業をしている。
彼は強く、また自由なのだと私は思う。
私はと言うと……、
180cmのベッドに横になったり気まぐれに病棟を出歩いたりしている。
どちらかと言うとベッドの上の方が多いが、
これは精神の具合の悪さや昔痛めた足腰のせいだ。
それに、精神科病棟に入院しているため容易に出歩けない部分も多い。
準閉鎖病棟と呼ばれるここは意外と自由な方で、強いて言えば病棟の出入口に鍵が掛かっている所が不自由だと感じる。
檻が扉を挟むように有って実質三重扉な所は、私の知っている限り余程のオンボロ病院(経験上は1ヶ所だけ)しか無いのだ。
病院は大抵清潔な場所で少なくとも生活していて居心地が良い方ではある。
ただ、いわゆる完全閉鎖病棟では、
奇声を張り上げたり、重症な訳の分からない患者も居るなど様々であるが……。
私は思う……、
正岡子規は自由な宇宙を六尺の布団の中で所有し様々な形で作品としていたのだろう。
私も場所にとらわれず自分の宇宙を余す所なく表現したいと思う。
そんな、柿の味が恋しい季節である……。
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