娯楽

十七夜月 慧

序文 落伍した娯楽者

常々、何かをかくのが趣味だった。

小学五年生の頃からノートに色々と書き殴っては自分の中にある宇宙を粘土のようにこね、

鋼のように熱しては叩き、冷やしてはまた炉にくべてと、繰り返していた。


かなり昔の話ではあるが、私は絵描きを目指してた。

絵を描いて、父の小説の挿絵を描きたいと思ったのだ。


しかし、父は紆余曲折有って居なくなってしまった。

その頃からだろう、このエッセイモドキを娯楽として書き始めたのは。

不思議と日記というプライベートな感覚は無かった。

私は娯楽として400字詰め原稿用紙に万年筆で物を書いていた。


だが、魔が差した。

このネットの海に私の1人遊びの産物の娯楽を公開しようとしている。


そして、この瞬間から私は1人遊びの娯楽を楽しむ者から落伍したのだ。

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