第46話

「かっら~っ!」


マーボーカレーをひとくち食べて。

アーチェの第一声はそれだった。

コップにいっぱい入っていた水を、一気に飲み干し荒々しくテーブルに置いた。


「辛っ!何よこれ!

だけど、おいしい!!」


「だっろ~?」


こういう反応を見るのは好きだった。

だが、それがアーチェがだとつい……。


「おまえには作れない味だよな」


なんて言ってしまった。


まずい事言ってしまった…と思ってももう遅い。


アーチェの笑顔にヒビが入る。


「あったまきた」


ぽつりと一言。


「あ…アーチェ?」


「教えなさいよ。作るから」


ブチ切れて、辺りにまた雷を放つのかと思った。

だが、まだそこまで来ないらしい。肌がピリピリする、そんな感じがないからだ。

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