第45話

「ふぃ~~!

あったかぁ~い♪」


はじめは、入れてなんてやるか!とか思っていたが、窓に張りつかれて訴えられた時には、(気持ち悪さに)仕方なく入れてしまった。


「おまえ、クレスとミントには会ってきたのかよ?」

「……」


部屋の中をウロウロ歩き、まるで物色しているように見えた。

それが居心地悪く感じたチェスターは話を振ってみるものの、変わらなかった。


「聞けよっ」

「んん?

なーんか、おいしそーな匂いがする」


「あ?」


「あ!

もしかしてこの匂いってぇ、前クレスが話してくれた『マーボーカレー』ってやつぅ?」

「…そうだよ」

「ねっねっ!

アタシそれ食べたい♪食べたい♪」


目をキラキラと輝かせて、両手をせわしく振る。


「んな顔すんな!」

「ね~ね~。ちょっとでいいからさあ」


甘える声で、アーチェはすり寄って来る。


「やめろ、やめろ!

わかったよ!食わせてやるからっ、やめろ!」


そう言うとアーチェは「やったぁ♪」と両手を挙げて喜んでいた。

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