第43話

(……それから何度もアミィはマーボーカレーを作ったけれど、俺のものとは違っていた。

まぁ、それでも構わなかったけどな)



「チェスター。それと、アミィちゃん。今日はありがとう!

すごくおいしかったよ」


食事の時間はあっという間に終わり、クレスは家に戻るという。


『一緒に行くよ』と、チェスターは言ったが、『大丈夫だよ』とクレスが言ったため、玄関で見送ることになった。


クレスの言葉に、アミィの顔はみるみる赤くなって、それを隠すためにうつむいた。


「それじゃあね」

「おう」


ドアを開けながら、クレスは片手を挙げた。チェスターも同じ手を挙げて返した。


「明日は森に行こうね」

「わかったよ」


ドアがキィと音をたてると、慌ててチェスターの前に出たアミィ。


「…クレスさん、おやすみなさい」

「うん。おやすみ!」


アミィのいつもと違う調子の声にも気づかず、彼らは別れた。

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