第40話

マーボーカレーを教えている時の話を聞くアミィは、なぜか真剣だった。

クレスが来る前は、作ることが嫌そうだったのに。


当時の俺はそう感じていた。改めて見てもそうだ。



「おーい、クレス!

出来たから食べにこいよ!」


ふと場面が切り替わって、クレスの家の前に幼い俺が立っていた。


ドアを叩いて呼びかけると、


「うん!今行くよ。

…母さん、行ってくるね」

「いってらっしゃい」


というやりとりが中から聞こえた。


バタバタバタ!


勢いよく近づいてくる足音がしてチェスターは一歩退いた。

ドアが開いて、飛び込んできたクレスの顔には『待ってました!』と書いてあるようだった。


「待たせたな。

そんじゃ、招待するぜ。アミィの『初マーボーカレー』によ」

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