第24話

「…!」


宿に戻ったときでした。

部屋に入った瞬間、私は“あの匂い”に気がつきました。


「おぉーい。行ってきたぜー!」


「おっかえりー♪

ご飯、もーそろそろで出来……」


元気よく出迎えて来たアーチェさん。けれど最後まで聞かず、彼女の横を通り抜け


「…失礼します」

一直線にキッチンへ向かいました。


「……るけどって、あれ?どしたの?

すずちゃん??」


するとすぐに、


「クレスのヤツ…!」


すずの行動に、チェスターは気づいたのか、後を追う。


「なによ、チェスターまで!」


「…」


答えはなかった。


「なによなによ~!」

連続して無視され、アーチェは地団駄を踏む。


「あ」


残されたミンも気づいたようだ。


「どうしたのミント?

…って…ん?あれ…?」


座っていたクラースも気づき、立ち上がる。


「なに?」


やはりまだ気づかないアーチェ。


「この匂いは…」


「ん?

今日のメニューはねぇ……って。



……あっ!」

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