第17話

ミントに教わって、次こそアイツに“うまい”って言わせてやる!と心の中でアーチェは決意した。


と。


「さて!ここを片付けるか」


クレスの声。

はッとしてアーチェは起き上がって部屋の中の惨状を見た。


「ウワぁ~。

派手にやっちゃったんだねぇ~」


「そうだぞ。椅子とかはまだいいが、皿は割れてるし床は焦がすし…」


クラースの愚痴にアーチェは何も言えなかった。

肩を落とし、はぅ~とため息をつきながら片付けを始めた。









夜のアルヴァニスタは、わりと静かで町中を歩いている者は少ない。

そんなところを歩いているチェスター。

食事処を探している様子はなく、ただ空を見上げていた。


「アイツ…前よりマシになってたのに、何でいつも“ああ”言っちまうんだ…」


答える人はいない。その言葉は吸い込まれるように消えた。





おわり。

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