「な…？！」

なんで僕が？という、わけが分からない顔をクレスは見せた。

「食べた感想をすぐに言わないから、アイツが不安そうにしてたんだぜ？」

「そ、そんな…」

さっきまでの勢いはなくなり、釣り上がっていたクレスの眉は下がっていった。

『…』

２人の間に沈黙が広がる。

「チェスターさんは…」

そんな空気を壊すような、ミントのやわらかな声。

「…なんだよ？」

チェスターの気分は収まっていないようで、そのままの顔でミントに向いた。

それを見て、ミントは表情を一瞬固くはしたが話を続けた。

「チェスターさんは、アーチェさんのことをよく見ているんですね」

といい微笑んだ。

『…』

「…なっ！」

今度はチェスターの表情が崩れる番だった。

眉は釣り上がったままだ。

だが、凍るような冷たい目をしていない。頬は赤く染まり、慌てた様子。

「そういえばそうだなぁ」

そこにクラースも乗ってくる。

チェスターの負けだった。

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