第13話

「…けほっ」


その頃中では。


目を開けたクレスは、雷光のせいでチカチカする目で辺りを見回す。


電撃が辺りに落ちた感覚がしたが、直撃はしていない。威力はサンダーブレード級。

ミントもクラースも咳き込んでいるだけで、大丈夫だのようだった。


あとはアーチェだ!


ドアの方向に目をやると、彼女はうつ伏せに倒れていた。


「アーチェ!」

クレスは駆け寄る。

彼女の前に座り、様子を確認する。服や髪が黒く焦げてはいるが、『うぅ~ん』と言いながら目を回しているだけだった。


「…どうですか?」

「うん。

一応、大丈夫みたいだ」


「そうですか…」


クレスの言葉に胸を撫で下ろすミント。


「それでは、ナースを…」と、治癒の詠唱を始める。


その後ろからクラースが手で顎を撫でながら寄って来た。


「この電撃は…、アーチェの積もり積もった怒りのせいかもしれないな」と分析した。

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