第11話

アーチェはうつむいてしまった。


「アーチェ…」


「アーチェさん…」


クレスとミントは彼女のもとに寄る。


泣いてるのではないか、と。


「ふ…ふふふ…」


と、思ったが、彼女の口から出たのは不気味な笑い声。


「あ…アーチェ?」


不気味な笑いが部屋中に広がり、部屋を出ようとしていたチェスター、成り行きを見いていたクラースも一斉にアーチェを見た。


パリ…っパリ…っ


「な、なんですか…っ?

これは……!?」


肌がピリピリとするのを感じたミント。乱れのないストレートの髪がバラけだした。


「い、いかん!

これはヤバい!」


事態を理解したクラースは蹴るように席を立つ。


(アーチェのまわりに静電気が集まっている。この異常な量は…!)


「二人とも離れるんだ…!

……ん?」


二人が離れる前に、アーチェが離れた。

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