第10話

クレスの反応を見ている間に、チェスターも一口食べていたのだ。


「ソースは少し焦げくさいし、パスタはまだ芯が残ってるし!

だろう、クレス?」


「そ…そんなことっ!」


反論するようにクレスは席を立つ。


『……。

そうかもしれないけど…』


なんて言葉が続く。クレスはそんな顔をしていた。


あー…、やっぱそうなんだ。


「だって前の時より…」


何となく気づいていたんだ。すぐに答えがなかったから。


クレスのフォローする声が聞こえるけれど、なんて言ったか耳に入らない。


けれど、これだけはハッキリ聞こえた。


「…外で食ってくる」


チェスターの“こうなると知ってた”というような声。


ズキンっ


席を立ち、すたすたと歩く音がする。


「チェスター!」と呼び止めるクレスの声も聞こえる。


こんな反応が出るのはわかってたわよ…。


わかってたけど!


でも!

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