第8話

20分後。


「おまたせ~♪」


ミートソースをたっぷり乗せたスパゲッティを持って、キッチンから出てきたアーチェとミント。


「うわぁ…」


湯気とともに上がってくるミートソースのにおい。素直なクレスの反応。


香りはいいみたいね。


あとは…味…だ!


全員の内心の言葉。


目の前に置かれたミートスパゲッティを見ながら、ゴクリと息を飲む。


「何よ~。

ためらってないで早く食べてみなさいよ!」


「う…うん」


ただ見ているだけの男たちに、しびれを切らして、アーチェは命令口調になる。

ちらりと横に目をやる。

「…チェスター。

あんたは何してんの?」


「神に祈ってんだよ。

あーでも普段やんねーから叶えてくれねぇかもな~」


「む…。

さっさと食えっての!」


アーチェの小さな怒りが、また積もっていた。

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