第7話

「アーチェさん、手伝いますよ」


みんなが部屋に入ったのを確認してから、アーチェはパスタをゆで始めた。

すると荷物を置いてきたミントがキッチンに顔を出す。


「あんがと、ミント。

じゃあ、ソースのほう見てて。ここまでやって焦げちゃあ困るし」


そう言うと、ミントは「はい」と快く微笑んでキッチンの中に入った。


その頃。


出来上がるのを待つクレス、チェスター、クラース。


彼らの顔は、明らかに不安そうであった。

椅子に座っていても、落ち着かない様子なのはチェスター。

席に落ち着いて座っているようで、祈りを捧げているクラース。


…前回の不幸を記憶しているからだろう。


「オイ、クレス。

マズかったら、俺は出掛けてくるからな。今度こそ」


「チェスター…。

でも、今回は大丈夫じゃないかな?」


キッチンを見ながらクレスは言う。


「どこにそんな確証が?」


「何となく…だけど」


言葉に自信はなさそうで、チェスターは「…ったく」と呆れていた。

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