第51話
……。
……。
あれ?
俺、落ちているのか?
たしかベッドに座っていたはずだった。
なのに、これは何だ?
ロイドは違和感を感じて目を開いた。
辺りを見回すと、木の壁やランプがない。
ここはどこだ?
「あ」
と言って口を開くと、口から泡が現れてロイドは理解した。
ここは水の中だ。と。
けれど息苦しさは感じなかったロイドは、これは夢なんだ。と思い至った。
手で掻いてみると前に進んだ。
「…夢の中のわりには、動きづらいなぁ。とりあえず外に出るか」
ロイドは向きを変えて、光が射し込んでいる水面を目指して泳ぎはじめた。
と。
何となく見た水の底は暗かった。それは当たり前の事なのだが、背筋が凍るような嫌な感じがしたのだ。
黒に近い、水の底。
そこに小さな赤色がロイドの目にとまった。
あれは―…?
その赤はゆらゆらと揺れていた。
まさか!
危険だと思っていた場所に、ロイドは夢中になって泳いだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます