第50話
「目を開けてくれよ!
いつもみたいに、冗談でした!って言って驚かせてくれよ」
ゼロスの顔を寄せると、冷たくなっていくのを感じてロイドの目から涙があふれた。
☆
宿屋の二階にロイドが一人。ベッドに座っていた。
……コレットを助ける事ができた。
各階で危険な目にあったが、仲間を助けてくれたのは、クラトスだ。
……一周目はゼロスだったんだ。
フラノールでクラトスを選んで、
ゼロスが離れていった。
『輝石…壊してくれよな』
俺はゼロスの遺言(ことば)をまだ実行できずにいた。
ズボンのポケットに手を突っ込んで、何かを握るとその手を出した。
その手を返して開くと、丸い石が現われた。
『ゼロスの輝石』
それをまだ壊せずに、こうして持ってきてしまっている。
コレットを助ける事ができた。
けれど、彼を救う事ができなかった。
「……ゼロス……」
輝石を握りしめて、ロイドはそれを額に当てた。
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