分岐点

第47話

一つが終わって、


別なものが始まる。



「…そっか、ロイド…クラトスさんを選んだんだね」


マーテル教会聖堂の陰からコレットとゼロスは展望台に立っているロイドとクラトスを見ていた。


「…ロイド、記憶あったんだね」


クラトスと同様、記憶の事を黙っていたのは残念に思っていた。けれど、咎める気もなかった。


ロイドが選んだ事だから。


さく。

「ゼロス?」


コレットは、自分の隣にいたはずのゼロスがいないことに気づいて振り返る。すると彼は階段を降りはじめていた。


そういえば、ゼロスはここに来るまでずっと無口だった。いつもだったら、冗談の一つでも言うのに。


「ゼロス?

どこに行くの?」


私の言葉に振り返りもしない。

ただ一言。


「…先帰ってるわ」


「そう…」


コレットは寒気を感じた。


それは、雪のせいかと思ったけれど…、違ったの。

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